加支多神社 かしたじんじゃ

泉佐野市鶴原に御鎮座まします加支多八幡神社(かきたはちまんじんじゃ)は、八世紀に定められた延喜式の神名帳に、和泉国六十二座の中の一座として記載されている式内社であります。

御祭神は、

一、誉田別命(応神天皇・八幡大神)(ほんだわけのみこと)
一、市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)
一、天児屋根命(あめのこやねのみこと)

をお祀りしています。

誉田別命(ほんだわけのみこと)は応神天皇の御神名で「八幡さま」と通称されています。神功皇后(じんぐうこうごう)が新羅を御遠征中、その胎内にあって全軍の指揮、采配をおとりになったのです。後の応神天皇であります。二年間皇后の胎内におられて、お健やかに御生誕なさいました。従って「安産の神さま」、「子授けの神さま」、「知恵の神」として古来「文武の神」「弓矢八幡」さまと称えられ崇敬されています。

市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)は、天照大御神(あまてらすおおみかみ)、建速須佐之男命(たけはやすさのおのみこと)の二神の神さまが高天原で誓約(うけい)をなされた時にお生まれになった女神です。又の御名は狭依毘売命(さよりひめのみこと)と申されます。高天原の最高神・天照大御神にお仕えした女神です。「婦人の芸事」「婦人の作法」の神さま、「音楽の守護神」でもあります。又「船の寄る所を敷きませる神」、又、海上を支配され諸国の幸をもたらし交易を守護し、人々に福徳をもたらす「海上交易の神」「福徳の神」として「いつくしまひめ」とも「弁財天」とも称えられ広く崇敬されています。

天児屋根命(あめのこやねのみこと)は、高天原の神々の祭祀を司る天ツ神です。神代の昔、天照大御神が天の岩戸におかくれになった時、その御出座をお願いして祭祀を行い、天津祝詞の太祝詞(ふとのりと)を言寿ぎもうし、八咫鏡(やたのかがみ)をさし出して、その御出座を賜りました。又、天孫の天津日子穂能邇々芸命(あまつこひほのににぎのみこと)が降臨なさる時に供奉した五伴緒(いつとものお)の中でも先達をなさった神さまで、古来「祈祷の神」、「祓清(はらきよ)の神」、「諸願を最高神にお伝えする神」とされています。

八重事代主命(やえことしろぬしのみこと)をお祀りする、商売繁昌の守護神です。「つるはらえびす」と親しまれ、一月十日の戎祭は氏子総代の人々の奉仕により賑々しくお祭りが行われます。

道反大神(みちかえしのおおかみ)とも称され、私達の身体からすべての罪、穢れ、病気、悩み、悪霊なども祓い清めて追い出し、治癒してくださる身近な有難い神さまで、古来「足神(あしがみ)」さまとして足の病を治してくださる神さまです。

金神のいます方位は殺気の凶方とされています。私達は色々の面で方位を犯すことが多いのです。「方位のあやまち」を犯さないように、又、未然に防いでくださる神さまとしてお祀りしています。旅立ちなど、すべての方位に関する事はこの神さまの御神徳をお受けください。

古く明治三十七年～三十八年の日露戦争に出征従軍された鶴原の軍人たちの武運長久をお祈りするために建立された碑です。裏面に御名前を刻んであります。お心当たりの方々はお確かめください。そして皆々様方ともども、この方々の御苦労に心から感謝の気持ちを捧げましょう。いついつまでも・・・。

大国主命(おおくにぬしのみこと)、又の御名は大己貴命(おおなむちのみこと)の別称で「財福の神」、「病気を治す神」、「国造り、家造りの神」さまです。「受験や競争に勝つ神」さま、通称、大国さまとして古来信仰を集めています。現在は社務所中央座にお祀りしています。

稲荷五社大神のうちの一柱である大己貴命を大黒さまとして別途お祀りしている一方、「五社大神」さまが当社に御再現なされ現在御本殿に鎮座まします。